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金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを! 債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。

2024-04

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「債務問題」というと、「途上国の累積債務」「1982年の債務危機」がまず頭に浮かびますが、それから25年以上が経ち、当然ながらその間、社会・経済状況は大きく様変わりしています。

いまや「債務問題」「金融危機」は途上国の専売特許ではありません。昨年8月のサブプライム問題は収拾するどころか、IMFが2千億ドルとしていた被害額を8千億ドルと訂正したり、中国が米国金融機関への融資を規制し始めたり(いずれも08年3月時点)、先行きのわからない状況です。

その中で途上国の債務問題、解決するどころかますます拡大しつつある貧困問題を、私たちはどのように考えたらいいのでしょうか?

今年1月始めにCADTM(第三世界債務廃絶委員会)エリック・トゥーサン氏から送られてきた論考を翻訳してお届けします。

(原文;Differences between 1982 and 2007-2008

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1982年と2007-2008年・・何がどう変わったか?

エリック・トゥーサン、2008年1月

その2年前の米国の金利引き上げ、一次産品(特に石油)の国際価格下落などが複合的誘引となり、1982年、途上国債務危機が勃発した。震源地は南であり、第一の犠牲者は途上国政府であった。彼らは突然、自分たちが膨大な債務を返済する破目になっていることに気がついた。

1990年代の金融危機は実質上、途上国に集中した。1994-95年のメキシコ危機、1997-98年のアジア危機、1998年のロシア危機、1999年ブラジル、2000年トルコ、2001-02年アルゼンチン、2002年に再びブラジルで金融危機。どの場合も、資本の突然の移動とその国の通貨に対する投機攻撃が引き金となった。それまでこれらの国に押し寄せていた金融資本の突然の引き上げが危機を引き起こした。これは、より安全だと思われる場合には北の金融センターに逃げ帰る、資本逃避が引き起こした問題だった。

2007年8月、世界経済を牽引する北で金融危機が勃発した。これまで主に北米、西・中央ヨーロッパの民間金融企業が甚大な影響を受けている。

日本は15年前の債務危機の打撃を直接受けた民間金融セクターがようやく再スタート地点に着いたところであり、いまのところ今回の危機の影響を免れている。当時の危機から学んだおかげで、日本の銀行家は北米やヨーロッパの同業者よりはかなり慎重になっている(注1)。

今の北の金融システムの危機は、安全を求める資本がこれまでとは逆方向に逃避するというものだ。資本は北から逃げ去り、新しい安息の地を求めてインド、中国、ブラジル(注2)など株式取引で沸き立つ国へと向かっている(注2)。事態の進展のあまりの激しさに、インド政府は新自由主義を信奉しつつも、このありがたくない資本の流入を押しとどめる方策を考えている。この資本は流入することでインドルピーの価値を押し上げるだろうが、おそらくはすぐに、世界のどこか他の場所にもっとうまみのある投資先を見つけて逃げていくだろう(注3)。





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久しぶりの更新です。

おなじみCADTMのエリックさんから、エクアドルの債務監査委員会の進展状況報告が入ってきました。エリックさん、相変わらず忙しそうですね・・。

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ラファエル・コレア、エクアドル債務監査委員会の活動を積極的に後押し
エリック・トゥーサン
(原文はここ
Rafael Correa actively supports the ongoing work of Ecuador’s debt audit commission)

CAIC(公的債務の総合監査委員会)において2008年2月10日から23日、2週間の集中作業期間が設定され、CAICの10人のエクアドル側委員(注1)、6人の海外代表(注2)が現行の債務監査をさらに進展させるべく必死で働いた。

(今後、情報が入り次第追加していきます)

フィリピンの下院が「疑わしい融資に対する利子返済拒否」の特別条項付き2008年度予算案を通過させるという快挙を成し遂げました!

そこで現在のフィリピンの債務状況について概観したいと思います。

「フィリピンの債務」というと、マルコス独裁体制下の債務がすぐ思い浮かびます。

・1965年、マルコスの大統領就任前は10億ドルもなかった国家債務が、彼がピーピルズ・パワーで政権の座を追われた1986年には約280億ドルに達していました。

・そこには日本からの5000億円の円借款も含まれています。

・その中には、汚職にまみれ、かつ、国民のニーズと何の関係もなかったプロジェクトが多数ありました。
フィリピン国会の下院は、11月12日、疑わしい債務の利子返済を拒否する次年度予算案を可決しました。

その「疑わしい債務」には、日本のODAとして供与された5件の円借款も含まれています。また、2件は世界銀行、1件はマルコス時代の債務なので、当然日本も関係します。

予算案はこのあと、上院の決議待ちなので実際に施行されるかわかりません(そして上院は大体、体制・資本家よりらしい)が、ともかくも一つの国の国会が、12件の債務を「不当だ」と公式に断定したのはすごいことだと思います。

本当は現在のフィリピンの債務状況を解説する文章を付けてから載せたかったんですが、そうするといつまでも載せられないようなので、先にフィリピンの債務キャンペーンのプレスリリースを載せます。

FDCは来年で創立20年を迎える(つまり、20年間債務と闘い続けている)フィリピンの運動体です。

原文
FDC・ホームページ
CADTMがパキスタン情勢に関して、ムシャラフ政権を支え続けた”ドナー”達を非難する声明をだしました。

このように独裁体制とそれを支えてきた大国からの支援を述べた文章の中では大抵非難されるのは米国ですが、特にアジアの国は米国の方針に従って日本が多くの”援助”を送ってきた国があり、パキスタンはその典型的例です。

2001年の911テロの直後から、日本政府はパリクラブに対してパキスタンの債務繰り延べを提言してきました。ご存じのように債務救済に後ろ向きな日本が前向きになるのは対米追従の場合がほとんどです。これも「テロとの戦いに協力するムシャラフ体制にご褒美を」というところでしょう。

2001年12月14日に発表されたパリクラブでの債務繰り延べ額の百二十五億ドルのうち日本の債権は約四割を占めています。
「パリクラブは1~2年の短期的な繰り延べに応じるのが通常で、長期繰り延べの容認は異例の措置」とのことです。

このほか、911テロ直後にはパキスタンへの緊急経済支援を発表しています。

◎パキスタン及びインドに対する緊急の経済支援 2001年9月21日
http://www.kantei.go.jp/jp/tyokan/koizumi/2001/0921comment.html
◎対パキスタン緊急経済支援 2001年9月19日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/kinkyushien.html

「アタックこうとう」のサイトにもっと詳しい説明があります。

原文:CADTMサイト
http://www.cadtm.org/spip.php?article2927
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