金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを!
債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。
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ボツ原稿シリーズ2(笑)
コペンハーゲンでは、気候変動が本当に多くの人(途上国の人だけではないと思います)の生き死にの問題なのだ!という切迫感が伝わってきました。 小島嶼国やアフリカ代表の言動にもそれを感じますが、残念ながら先進国首脳や日本のマスコミにはその切迫感が伝わらなかったようです。 バングラデシュも気候変動による天災の被害を大きく受けている国のひとつです。 同国のバングラデシュ平等と正義活動グループ(EquityBD)は、特に気候変動により 移住を余儀なくされた人たちの権利の問題や、気候変動資金が世界銀行経由で供与されることの問題点を強く主張しています。 クリマフォーラムではこのEquityBD主催で「気候変動による強制移住者の保障された地位を求めるフォーラム」が開催されました。 ちなみに「気候難民」という言い方もよくされますが、EquityBDは現在の「難民」の法的な認定のされ方や扱われ方から考えて、あえてこの言葉は使わないそうです。 (同じテーマで活動している別の国(?)の活動家は、逆にあえて”気候難民”という言葉を使う、と言ってました。) そのフォーラムで、Oxfam New Zealandの人が 「太平洋エリアで気候変動の被害を受けるとされる人は5千万人。 アフリカやアジアと比べると数は小さいかもしれない。 しかし、数の問題ではない、一人ひとりの命の問題だ。 ”移住”と簡単に言うが、本当に本当に大変なことだ。 それまで住んでいた土地とのつながりが断ち切られる。 文化を失うことだ。 本当に人の生そのものが破壊されかねない。 「移住すればいい」という問題ではない。 移住しなくてすむように、移住しなくてはならなくなる前にどうにかしなければいけない。 よく、海水面が上昇して島が沈むから移住、というが、その前に生態系の変化によって飲み水が得られなくなって島を捨てるという可能性の方が大きい。 サイクロンでもたくさんの被害が出ている。 移住は本当に悲惨で、金で換算できるものではないが、かかる費用も莫大だ。 その資金援助などほとんどどこからも来ない。 本国は金がない、国際的ドナーもほとんど金を出してくれない。 わずかにNGOを通した援助くらい。」 という話をされていました。 ------------ 気候変動による強制移住: 彼らの尊厳を保障するために新議定書で法的地位認定を! バングラデシュ平等と正義活動グループ(EquityBD) 2009年12月 前文 強制移住は、気候変動のもっとも大きな影響のひとつである。 1990年のIPCC第一回評価レポート(IPCC AR1)は2050年までに1億5千万人が移住を余儀なくされると予測している。
最近の研究があげている数値はもっと恐ろしい-
気候変動による強制移住は、現在の記録されている難民全部と国内での強制移住者(IPDs)を合わせた数の10倍に達するというのだ。 つまり、2050年までに世界の45人に一人、バングラデシュで言えば7人に一人が気候変動で移住を余儀なくされることになる。 数々の研究が気候変動による将来の移民の洪水に関して警告を発しているにも関わらず、なんの手段も講じられていない。 気候変動による強制移民を表す用語や概念さえ文書の中には現れてこない。 この不十分な現状を前に、EquityBDは「気候変動により移住を強いられた人々」の尊厳ある地位と法的立場の認定を主張する。 EquityBDは「気候変動により移住を強いられた人々」の社会的、文化的、経済的権利を保障するために、UNFCCCの新議定書の下で新しい法的仕組みを作るよう、世界のリーダーたちに求める。 サマリー 1990年の第一回気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告は、気候変動にが引き起こす最大の影響は強制移住であると記している。 当報告では2050年までに1億5千万人が気候変動に関わる災害・現象で移住を余儀なくされる可能性があるとされている。 最近の研究はさらに大きな数値を提示している。 たとえばオックスフォード大学のノーマン・マイヤーズ教示は 「温暖化がこのまま進めば、モンスーンシステムや他の降雨メカニズムの崩壊、予測不可能なほど過酷で長期の旱魃、海面上昇や海岸地帯での洪水で2億人が2050年までに移住をすることになる」 と主張している。 2004年の「気候変動の経済側面に関するスターン報告」ならびに2007年のクリスチャン・エイド報告でも、気候変動関連の現象での移住をそれぞれ2億人、2億5千万にと見積もっている。 今後の気候変動による移民予測は、現在記録されているすべての難民ならびに国内移住者数(IPD)の総計の10倍という恐ろしい数値を提示している。 これはつまり、2050年までには世界の45人に一人が移住する運命あることを示している。 多くの研究が、将来の気候変動による強制移民の洪水に警鐘を鳴らしているにもかかわらず、これまでなんの政策も立てられていない。 文書の中では気候変動の影響を受けた人々は「エコロジカル難民」「環境難民」「気候難民」「気候変動移民」「環境破壊で強制された移民」etcなどと表現されているが決まった用語や概念はいまだない。 国連環境プログラム(UNEP)はこの将来の移民たちを 「環境移民―彼らの存在を危機にさらし、また、生活の質を極端に落とすような(自然要因あるいは人為的要因による)著しい環境破壊により、一時的あるいは永久にこれまでの伝統的住まいを離れざるを得なかった人々」 と定義している。 しかし、1951年の難民条約で使われ、法的に定義されている「難民」という言葉を、環境あるいは気候変動「難民」という形で用いるには様々な問題がある。 この点に関して、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)(注8)と国際移住機関(IMO)は「気候難民」「環境難民」という言葉は国際移民に関する法規になんら規定がなく、難民に対する国際法による保護を毀損する恐れがあるのでこのような言葉の利用は避けるべきだと提言している。 実際、現在UNHCRが保護対象とする「難民」は、人種、宗教、政治的意見、民族が原因で体制から虐待を受ける恐れから国を離れた個人である。 難民の公的な定義は1951年のジュネーブ協定の元での非常に狭い法的認定に基づいている。そこでは「難民」とは 「・・・国籍のある、あるいは居住地であった国の外にあって、迫害を受ける恐れから母国に拠ることのできない個人」とされている。 「難民」の法的定義が以上のようなものなので、いくつかの国際組織は気候変動により移住せざるを得なかった人々を「環境による強制退去者」として扱おうとしている。 この言葉はUNHCRが保護対象とする「国内退去者(IDP)」にそったものだが、これだと国際社会の危機緩和への責任が低く見られる恐れがある。 気候変動による強制移住とIDPを同列に扱うことは、気候変動による強制移民への正義の観点を損ない、また、この二つの言葉の定義が明確に認識されないことで十分な支援が受けられなくなる可能性がある。 「環境による強制退去者」という用語の適切さをめぐって以下の疑問が提起しうるだろう。 -環境的要因だけが強制退去、あるいは移住の原因なのか? -貧しい国は豊かな国によって累積された危機に、その国だけで対処できるのか? -「気候に関して強制的退去させられた人々」は「政治的難民」や「IDP」の枠内に収まるのか? -モルジブのさんご礁の島に住む人やバングラデシュの海岸地帯に住む人々が、どうして1951年のジュネーブ協定で限定的に定義されている政治難民と同列に扱い得るのか? 気候変動により移住を余儀なくされた人々には違う名称、違う地位が与えられべきだ。彼らは社会、文化、経済的回復を保証された「普遍的自然人」として尊厳のある扱いを受けるべきである。 最後に、強制移住者問題に世界規模で適切に取り組むためには、法的な枠組みが、(おそらくは)国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の元で作られることが重要だ。 この取り組みには気候変動に関する最も根本的な原則が反映されなくてはならない。すなわち、アカウンタビリティ - 汚染を引き起こした北の国が、南の、もっとも苦しむであろう国々の問題解決の責を負う - の原則である。 原文の全文は以下のサイトからダウンロード可能 http://www.equitybd.org/English/ PR |
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