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金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを! 債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。

2024-11

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世の中には悪い奴がいるもので、貧しい国々が何十年もの努力の末に得たものまで法の間隙を縫って奪い取ろうとする。

こいつらは「ハゲタカ」と呼ばれているけど、私は本物のハゲタカに申し訳ないと思う。

人間の欲の深さや愚かさをよく動物になぞらえるけど、動物は必要以上に殺してため込んだり、無駄な装飾品やぜいたく品のために他の動物を搾取したりしない。

ハゲタカは屍肉を漁るからネガティブなイメージがあるけど、人間だって動物の死体を食べてるんだし、ここに出てくる奴等は人の生き血の上に利益をむさぼっている。

2007年に「バルチャー(ハゲタカ)ファンド」のひとつ、ドニゴール・インターナショナルが、330万ドルの安値で買い叩いた債権を元に、元金全額と利子と手数料、なんと総額5500万ドルを求めてザンビア政府を訴えた件が話題になったが、このような事態再発を防ぐための金融規制はまったく行われない。

成果を台無しにされているはずのIMF/世界銀行自身が「私たちは中立な機関だから民間投資家を規制できない、協力を呼びかけることしかできない」なんて言ってる。

貧しい債務国をついばむ「ハゲタカファンド」
09年8月20日Eli Clifton記者

ワシントン(IPS)-重債務国の債務を買い取ることで30カ国以上の二国間・多国間債務帳消しの成果を台無しにしようとしている投資ファンドに歯止めをかけるよう、50に上る米国の市民社会組織が下院に呼びかけた。


NAACP(the National Association for the Advancement of Colored People)、the Jubilee USA Network、TransAfrica Forum、the American Jewish World Service、the United Methodist Church、Africa Actionなどを構成メンバーとするグループは、「金持ちの搾取ファンドによる、虐げられた国々への超恥知らずな支払い請求」を止めようと努力している。

これは「バルチャー(ハゲタカ)ファンド」と呼ばれるもので、重債務国の債務を二束三文で買い取り、その上で「資産押収、訴訟、政治的圧力などありとあらゆる手を使って実際の買取価格をはるかに上回る額の支払いを要求する」。

バルチャーファンドの行為は、世界の最貧国を救うために債務帳消しを求めてきた国際的努力を台無しにするものだ。市民の運動の結果、これまで9千億ドルの債務が帳消しされてきた。

「1996年以降、米国を含むドナー各国は30以上の債務国の二国間・多国間債務9千億ドルを帳消しにすると公約してきました。
バルチャーファンドはこの債務救済の利益を吸い取るのです。」Africa Actionの政策・渉外関係副代表マイケル・ストゥールマンはIPS記者に語った。

バルチャーたちは貧しい国々が遠い昔に作った債務の返済を求めて米国の法廷に訴え出る。

同グループが議会に提出したレターには、FGフェミスフェア・ファンドとコンゴ民主共和国の例が出ている。同ファンドは、腐敗で悪名高いモブツ・セセ・セコ政権が1980年に借りた3千万ドルの債務への返済として1億5百万ドルの支払いを請求し勝訴した。ワシントンの法廷はこの訴訟の結論として、毎週8万ドルを支払えという命令をコンゴ民主共和国に言い渡した。

「コンゴ民主共和国は貧しい市民のために医療、教育、HIV/AIDsとの闘い、きれいな飲み水などの分野でこの金を使うことができたのに、それをやめてFGヘミスフェアのような金持ち企業への支払いに回さなければならないのです。」ジュビリーUSAネットワークの副代表、メリンダ・セントルイスは述べる。

ジュビリーUSAは80の宗教団体、信仰グループ、開発支援団体、人権組織が連盟して債務救済のために活動しているグループである。

「これは世界銀行の重債務貧困イニシアティブ(HIPCs)を通して米国やその他の国際社会が債務帳消しの分野で成し遂げてきた成果に真っ向から反するものです。」とセントルイスは言う。

別の裁判では、ザンビアが標的になった。ドニゴール・インターナショナルというバルチャーファンドが300万ドルで入手した債権に対し、同国は1500万ドルの支払い命令を受けた。これはザンビアが2007年に受けた債務救済額の60%に当たる。

「バルチャーファンドがこのような法外な額を求める訴訟を起こせば、そのせいで医療、教育、インフラ、その他の社会プログラムに投資されるべき金が取り上げられるのははっきりしています。その金は裕福な投資家の懐に流れるのです。」ストゥールマンは言う。

ドニゴール・インターナショナルは同社のウェブサイトで「投資ファンドが債務国を訴え出る権利を制限するような法規制は、債権の二次市場に深刻なダメージを与え、また、貸し手は無担保融資の金利を上げざるを得なくなる。」と警告している。

「もしある国が、投資家が債務を入手し、転換し、資金回収するのを阻むような法改正をそれば、債務の底値はないも同然、重債務国の焦げ付いた債務の価値はゼロになるだろう。問題はそれによって貸し手がますます貧しい国に無担保で貸すのをためらうようになり、融資に対して法外な高利を要求するようになるということだ」と同社は主張している。

市民グループは6月18日に民主党のマキシン・ウォルターズ議員と共和党のスペンサー・バッカス議員が発議した下院決議(HR)2932を可決するよう要求した。

これはバルチャーファンドが法外な利益のために米国の法廷を利用する権利を制限しようというものである。

「私たちは世界のもっとも貧しい国々の貧困削減のチャンスをバルチャーファンドに邪魔させてはなりません。」とウォルター議員はIPSへのeメールで述べた。

「この一年間、私たちはごく少数の恥知らずで人を踏み台にする投資家の行為が、無実の人々を傷つけ、経済に混乱をもたらすのを見てきました。

私たちは世界のもっとも貧しい人たちがこれら悪意の投資家にむさぼられるのを黙ってみてることはできません。」と彼女は言う。

IMFの債務救済対象国となっている41カ国のうち少なくとも20カ国が、HIPC(重債務貧困国)イニシアティブのおかげで返済しなくてもよくなった資金を狙って利益を上げようとする民間ファンドの訴訟の標的になっているか、あるいはその恐れがある。

この下院決議が通れば、バルチャーが重債務国の債務の売り買いで上げる利益を制限することもできるし、バルチャーが米国の法廷に持ち込んだ訴訟に関して透明性を上げることもできる。

投資ファンドは自分たちが貧しい国の債務を二次市場でいくらで購入したか公開するよう要求されるようになるだろう。
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