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金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを! 債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。

2024-04

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先日、セブの給水事業で、アヤラ財閥系のマニラ・ウォーター社と三菱が調査した提案案件をセブ水道局がキャンセルし、それに対して日本政府が再考を促す手紙を送ったという件について流しました。

それに関して、フィリピンに詳しい方から色々資料をもらったのですが、どうやら
1、セブの水不足解消策として、マニラ・ウォーター社が20億ペソのBOTプロジェクトを水道局に提案した。

2、IFC(国際金融公社、世銀グループ)は、水道局のコンサルタントして、中立な立場で相談に乗るべきところが、マニラ・ウォーター社のプロジェクトを推すような動きをした。IFCはマニラ・ウォーター社の株主でもあり、偏っているのではないか、という批判があった。

3、それに対して、セブ議会は中立性が保たれていないとして、水道局に案件を最初から見直すように勧告する決議をした。

やはりマニラ・ウォーター社としての調査自体は、経産省から資金をもらって、三菱がしたみたいですね。
その後の流れはちゃんとつかめていないので、現地と確認が取れたら整理して、また流せたらいいと思います。

とりあえず、昨年10月のセブ議会の決議の新聞記事を翻訳しました。
IFC(国際金融公社)が世銀グループということで、被援助国に隠然たる影響力を持っていることなどがわかります。

原文はそれぞれ
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http://globalnation.inquirer.net/cebudailynews/news/view_article.php?article_id=24934

Cebu lawmakers: Review Carmen Bulk Water deal

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http://www.sunstar.com.ph/static/ceb/2006/10/05/news/council.assails.ifc.role.html

Thursday, October 05, 2006
Council assails IFC role
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です。(よくわからない用語などあるので、誤訳などご指摘ください)

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【セブ議会:カルメン・バルク給水契約を見直し】

ドリス・C・バングカク
セブ・デイリー・ニュース(2006年10月5日)

セブ議会は昨日、消費者にとって最も利益となる一番いい提案が確実になされるよう、カルメン・バルク給水プロジェクトを全面的に見直すことを要求する決議を出した。

また、同決議は不公正の疑いを一掃するため、アラヤ事業体による民間プロポーザル(unsolicited
proposal)を採用する代わりに公開入札を行う様求めた。

これらの要求は、昨日の議会でシルバン・ジャコサレム議員が特別スピーチを行ったあとで提出した3つの決議案を一つにまとめたものである。

最初の決議案で、ジャコサレムは、月曜日に行われたアラヤ・ステートランド事業体による民間プロポーザル(20億ペソのカルメン・バルク給水プロジェクト)を検討する公聴会で噴出した問題や意見を「真剣に」検討するよう、国家経済開発局(NEDA)に要求した。

2番目の決議案は、給水プロジェクトに関して国際金融公社(IFC)が行っているコンサルタント業務に対する議会の「動揺」と「失望」を表した物である。

IFCは、このバルク給水プロジェクトに関してセブ都市圏水道局(MCWD)の財政/技術コンサルタントとして活動する一方で、同社はアラヤ・ステートランド事業体が関係するマニラ・ウォーター社の株の8%を保有している、とヒラリオ・ダビデ3世議員は語った。

ジャコサレムの3番目の決議案は、MCWDに、水道プロジェクトに関して公開の入札を行うよう求める物である。

ジェラルド・カリージョ議員は、MCWDがNEDAならびに事業提案者と交渉する際に透明性を保つよう要求する4番目の決議案の承認を求めた。

カリージョは、「プロジェクトに利害を持つコンサルタント(IFC)選定の際に偏向があった」としている。

2005年4月、MCWDは、アラヤからのプロポーザル(unsolicited
proposal)についてのアラヤとの交渉、ならびに、他の応札者への対応にはスイス・チャレンジ方式(訳注末尾)を検討する件でIFCの助言を求めた。

トマス・オスメーニャ市長とも同意見だが、と断った上で、マイケル・ラマ副市長は、議会はカルメン・バルク給水プロジェクトそのものに反対しているのではない、議会は落札に際しての透明性を確保したいだけなのだ、と言明言した。

ラマは、アラヤのプロポーザルには様々な懸念があるという。例えばアラヤは、他の企業がプロジェクトを落札した場合は、開発コストを払い戻すよう要求している。「私たちは世銀とけんかする必要はありません。私たちははっきりさせたいだけです。」と彼は言う。

自分の特別スピーチの中で、ジャコサレムは適切な水供給の必要性を強調した。「(しかし)全ての人が望むような取引こそが、常に最もよい取引なのです。」

ガブリエル・レイソン議員は、世銀がこの水プロジェクトにどのような関心を抱いているか憂慮している、世銀はこのプロジェクトに資金融資するつもりかどうか知りたい、と語った。彼は議会のコメントが「世銀の融資部門を怒らせるような、見当違いのシグナルとならなければいいが」と心配する。

IFCの代表は、カルメン・バルク給水プロジェクトでの利害関係を否定し続けているが、ジャコサレムは、IFCの言を否定するようなHPの記事を見つけたと言い、マニラ・ウォーター社社長アントニオ・アキノの「IFCによる公的資金投入は我々のビジネス拡大戦略を、従来の営業権の範囲だけではなく、それを越える分野にまで広げるのを助けてくれる。」という2004年の記事を引用した。「現在、我が社は上下水道投資をフィリピンの他の地域で行う可能性を考えている。」と、記事の中でアキノは続けている。

【企業を関与させる必要はない】

セブ市議会は水供給契約の際の透明性に注意するよう要求しているが、一方、MCWDの従業員組合は、企業の関与を完全に廃し、カルメン自治体(LGU)と直接交渉すべきだと主張する。

MWCD職員組合(MEU)議長のビクター・チョンは、大統領令198と1973年の地方水道施設法を引用する。それによると、MCWDだけが、もっぱらセブ都市圏のどこからでも取水する排他的権利を持つ。

チョンは、この法によって民間企業が介入しなくても、MCWDは管轄区域内の水資源を開発する権利を持つ、と言う。

組合議長は、もしアラヤがカルメン給水事業を仕切るなら、水価格はMCWDがカルメン市と直接取引するより70%以上も高くなるだろう、と言う。また、アラヤの関与がMCWDの民営化に繋がり、ひいては雇用整理という結果になるのではないかと心配する。

付け加えて、MCWDとカルメン政府との「公・公パートナーシップ」は、両地域の人々に真に奉仕する物となるだろう、とチョンはいう。「官・民パートナーシップ」とは、結局、投資から利益を上げることを最優先課題としているからである。

「水資源はいつでもそこにある。アラヤの関与抜きで、カルメン政府とMCWDに水開発をさせればいい」とチョンは語った。

【水が得られればいい】

セブ商工会議所(CCCI)は、MCWDに早くセブ都市圏の水問題を解決してくれ、と要求している。

CCCI会頭、フランシス・モネラは記者会見で、会議所はどの企業を特に支援しているという訳ではなく、ただ、消費者の利益だけを心配している、と述べた。「セブの産業界を代表する組織として、会議所はどの水供給プロジェクトに関しても、契約企業の選定に関し、絶対的に公平でなくてはならない。それゆえ私たちは件(くだん)のプロジェクトについて、特にどこかの企業を応援するということはしない。われわれが最大限、心配するのは消費者の利益だ」とモネラは述べた。

*訳注:企業が提案する事業案を政府が採用し、それに対して入札を行う。政府によりいくつかの方式があるが、提案企業が有利になることが多い


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セブ・サン・スター紙(2006年10月5日)
【セブ議会、IFCを激しく非難】
リネッテ・C・ラモス(サン・スター紙記者)


フィリピン最大の財政パートナーの一つである世銀グループの感情を損ねるおそれがあるにも関わらず、セブ市議会は国際金融公社(IFC:世銀グループ)がMCWD(セブ都市圏水道局)に提供しているコンサルタント業務に疑問を呈する決議を下した。

昨日市議会は、アラヤ・コープ率いる事業体が提案する20億ペソのカルメン・バルク給水プロジェクトに、スイス・チャレンジ方式(*訳注末尾)を採用するのではなく、水供給に関する完全にオープンな入札を行い直すよう、MCWDに強く求める動議を賛成多数で可決した。

議会はまたセブ都市圏水道局理事会に、プロジェクトの際には透明性の維持に努めること、この問題に関するいかなる決定に関しても議会に知らせることを要求した。

議会は、プロジェクトのコンサルタント業務に関して利権問題(conflict of
interest)が疑われていることを遺憾とし、NEDA(国家経済開発局)理事会に議会の意見をについて検討を求めた。

昨日の特別動議で、シルバン・ジャコサレム議員は、利権の疑い生じているにも関わらずIFCがセブ都市圏水道局にこのプロジェクトに関するアドバイスを続けていることへの議会の「失望と動揺」を語った。

世銀グループの民間支援部門、IFCは、建設・運営・移譲方式(BOT)センターに委嘱され、MCWDがアラヤ・コープと交渉する際のMCWD側の相談業務を行っていた。

一方、IFCはアラヤ財閥が所有するマニラ・ウォーター社(MWCI)の株を8%保有している。このまま進めば、同社がセブ北部カルメンを中心に水プロジェクトを運営することになる。

ジャコサレムは、コンサルタント業務が契約される前から、MCWD、MWCI、ならびにIFCのフィリピン・マネージャーはすでに利権の疑いが生じることに気付いていたと指摘する。「今度は私達が自問自答するしかない。彼等は知っていた。なのになぜそのまま事業を始め、継続したのか?なぜ、あれだけのIQレベルをもちながら、今まで述べた事実全てを知りながら、利害問題が起こらないと考えることができたのか?」とジャコサレムは言う。

議会は、アラヤ事業体の民間プロポーザル(unsolicited
proposal)の完全性や公平性に関わる問題なので、上記の利権問題は解決されなければならない、と結論づけた。審議中、何人かの議員はこのプロジェクトにおけるIFC、アヤラ事業体、MWCI、MCWDの役割について概要を説明してほしいと言った。

ジェラルド・カリージョ議員は月曜日に開かれた公聴会で、IFCのコンサルタントはMCWDではなく、まるでアヤラの代理人のように見えた、と述べた。「なぜ、IFCはこのプロジェクトを擁護するような動きをするのか?採用されるプロジェクトに対して、コンサルタント達の偏向が影響するのではないか?」と彼は言う。

決議は賛成多数で可決されたが、ガブリエル・レイソン議員は、IFCと世銀が議会の声明に対して感情を害するのではないかと心配している。
「IFCが世銀グループの組織なので心配しているのです。私達の決議を後でIFCに送付しますが、それがフィリピンの二大財政支援組織の一つを怒らせてしまうかも知れません。私達は、MCWDだけが真相を知っているのに、見当違いのシグナルを送ることになるかも知れません。」と彼は語った。

レイソンは、MCWDがプロジェクトを承認し実施するのだから、議会の懸念はまずMCWDに向けられるべきだという。しかし、マイケル・ラマ副市長は、議会は世銀と喧嘩しているわけではないと言う。「私達は私達の結論をはっきりと表現しているだけです。私達は世銀を攻撃したり、彼等と喧嘩しようなどと思っている訳ではありません。私達はただ、MCWDがどっちの立場に立つかはっきりさせることが彼らにとって重要だと言っているだけです。MCWDはアヤラを擁護しているのかどうか?この問題は解決しなければなりません。」

ラマは、MCWD局長のホアン・サウル・モンテシージョとMWCIの代表が、利権の疑いについてなぜIFCを擁護するのか分からない、と言う。

MWCIのプロジェクトディレクター、ベン・ヴェラスコは、IFCはMWCIにこれまで7億5千ペソを投資しており、今後の15億ペソの融資は、カルメン・ウォータープロジェクトに対してではなく、MCWIの東部営業サービスに対して出される予定のものである、と語った。しかし、ジャオサレム氏は昨日、2004年にIFCのHPに載った報告書の中のMWCI社長、アントニオ・アキノの
「IFCによる公的資金投入は我々のビジネス拡大戦略を、従来の営業権の範囲だけではなく、それを越える分野にまで広げるのを助けてくれる。現在、我が社は上下水道投資をフィリピンの他の地域で行う可能性を考えている。」という言葉を引用しながら、これに反論した。

昨日の決議の中で、国家経済開発局(NEDA)の投資調整委員会(ICC)に、公聴会で問題にされた事実とそこで出された意見に関して検討するよう、市議会は依頼した。

決議文、議事録、公聴会の記録はアロヨ大統領、NEDA・ICC、MCWD理事会に送付される。

*訳注:企業が提案する事業案を政府が採用し、それに対して入札を行う。政府によりいくつかの方式があるが、提案企業が有利になることが多い

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