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金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを! 債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。

2024-04

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ニューヨーク・タイムズのアマルティア・センさんの記事を見てたら、
たまたま横に載っていた記事。

まあ、こーゆーオルタナティブ経済のことをずっと考えてきた人からすれば
「いまさら」的な内容だけど、

こういう記事が一般の新聞に載るのがいいかなってのと、
経済成長は人々に職を提供することに直結しない
(という、私からすれば一番大事な部分は
最後の方にちらっと書かれてるだけなんだけど)
ってのがあったので、まあ、訳してみました。

あーところで、IMFのラガルド専務理事、「ギリシャ人が税金払わない!」と非難したんだけど、本人は35万ユーロ(約3500万円)の年俸をもらうらしい
(しかも年々昇給)。

Embarrassing revelation for IMF MD

つい最近、数十年ローンで135,000ユーロの家を買った友達と話をしたんだけど、
ラガルドさん、即金で払ってもまだ有り余ってるのね。

同じラガルドさん、ガーディアン紙のインタビューで

「ギリシャのバランスシートを見れば、IMF提案の政策で陣痛の来た女性のそばには助産婦もなく、生きるか死ぬかの患者は薬が買えず、老人は孤独死、という図が見えるんですが、そう考えてこの政策をやめようという気持ちにはなりませんか?」

という質問に

「いいえ。私はいつもニジェールの恵まれない子どものことを考えています。
この子達はアテネの人たちより助けを必要としています。
ギリシャというといつも税金逃れを図っているギリシャ人が頭に浮かぶわ。」
Christine Lagarde cares for Niger

と答えたらしい。

うわー・・・。

すごいぞ、PIIGS。
アフリカ並みに貧しくならないと緊縮に終わりはない。
いや、アフリカをあそこまで貧しくしたのは実際はIMFと世銀の緊縮政策だから
アフリカ並みになっても緊縮に終わりはない。

閑話休題。

国民投票に関しては、アイルランドの人気経済評家
David Mc Williamsが立て続けに何本か書いてるけど、
訳してる暇ないので、URLだけご紹介。
http://www.davidmcwilliams.ie/category/articles

それとこれももうひとつ、新しい経済のあり方に関する記事。
時間とエネルギーあればそのうち訳すかも。

The Rise of the New Economy Movement

まあ、もう今のシステムを維持しようと血道をあげてる人たち相手にしても
時間の無駄。
不正義は正さないといけないけど、その傍ら、より楽しく生きられる方向性をみなで
作っていかなくっちゃね。
もちろん、下のような提案を実現するには政府を変えなくちゃいけないし、簡単じゃない。
でも、夢を見るゆとりをなくさないこと(そしてこれには結構エネルギーがいる)が
一番大事なんじゃないかな。

-----------
低生産性でいこう
TIM JACKSON
2012年5月26日

原文
Let’s Be Less Productive
http://www.nytimes.com/2012/05/27/opinion/sunday/lets-be-less-productive.html?_r=1&smid=fb-share

労働生産性追求はその限界を迎えたのか?

生産性 - 経済における一時間当たりの出来高 - は、しばしば現代の資本主義経済では進歩の推進力と見られてきた。

成果がすべて、時は金。

より生産性を上げるために膨大な研究論文が書かれ、企業CEOと政府の財務大臣たちは睡眠時間を削ってきた。

おそらくそうなのだろう:われわれがより少ない人数でより高い生産を上げられるようになったおかげで、私たちの人生は苦役から解放され、私たちは有り余る物質的豊かさを享受した。

しかし、際限ない生産性追求には当然限界がある。

永遠に向上し続ける生産性とはつまり、私たちの経済が拡大し続けなければ人々は職を失う恐れがあるということだ。
これまでと同じペースで続けるなら、生産量全体を増やし続けるか、そうでなければ人々に回る仕事が少なくなる。好むと好まざるとに関わらず、気がついたときには私たちは成長にがんじがらめになっていた。

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日本はもう6月ですね。

こちらは5月31日。
そして今日はEU財政条約のアイルランド国民投票投票日。

投票締め切りは夜の10時。
しかも、こちらの選管は夜はしっかり休むので多分開票は明日の朝からだろう。
投票率は午後2時半の段階で25%以下だそうだ。

この条約は加盟国が財政赤字と債務の各GDP比を決められた範囲(赤字は0.5%債務は60%)に抑える目標に向けて必要な政策をとる。取らなければ他の加盟国に
欧州司法裁判所に訴えられる可能性もある、というものだけど、
一方で、今回の経済危機を引き起こした金融市場規制や銀行の運営取締りには
まったく言及がない。

日本のマスコミ始め多くの人は、
「欧州のダメダメ国のやりたい放題わがままの尻拭いをしつつ、
EUの屋台骨を支える英雄ドイツ
というイメージを描いてるみたいだけど、
ドイツはこのダメダメ国のお陰で
ユーロを安く抑えられて自国の輸出を有利にしてきたわけ。
どうせユーロで一人勝ちしてるんだから、イヤなら出てけば?
でもそしたらドイツマルク、ぐーんと上がっちゃいますけど。

ギリシャのめちゃくちゃな経済運営たって今に始まったわけでもなく、ずーッとそうだった。
じゃあ、そんなめちゃくちゃな経済運営の国になんでみなさん、そんなに貸したの?

貸した内容には疑わしいものも多くて、ドイツの企業もたくさん関わっている。

重たいので恐縮だけど、↓ の20ページ以下参照
世界債務レポート2011

まあ、それはさておき・・・・

今回の国民投票、現フィナ・ゲール&労働党・EU太鼓持ち政権は

ともかく可決しないとEUに顔向けできないとばかりに

「否決したらもうどこからも金が借りられない」
「EUから出て行かなくてはいけなくなる」
「どこの海外の企業ももう来てくれない」
「NO投票が多かったら大幅増税を実施する」

と、これって恐喝?!

大体さー。
なんで金がいるかっていうと、ドイツやフランスの銀行を含む債権者
(投資家)に破綻したアイルランドの民間銀行の借金を国が肩代わりして返すためで、
で、今回なんでこの条約を決めるかってのも、市場の信用を回復するためって、
その市場って結局「投資家」でしょ?

なんで命削ってまでご奉仕せんといかんのか。
というよりなにより。

こういう脅迫まがいで「大変だー!」「大変だー!」って、
なんかウソくさいんだよね・・人をパニックに追い込んで一番得するのは誰か・・。

どっかの国の「電気が足りなくなってもいいんですか?!」を思いだす・・。

なんかさー、「解決方法はこれしかない!」みたいにして迫ってくるんだけど。
そんなんウソだと思う。

みんなで知恵を出し合って、そしてお互い足を引っ張らないで力を合わせれば
解決できるはずなのに。

三人寄れば文殊の知恵

でも逆に人々に意見を言うチャンスは与えない。
本当はアイルランドの国民投票だってさせたくなかった。

私だったら、逆にPIIGSで通貨連合作ってお互いに助けあったらいいと思うよ。
南欧っておいしいものたくさんあるしね、アイルランドはギネスとウイスキーを提供して
みなさんハッピ~ ってのはどうでしょう。

以下はニューヨークタイムズに載ってたノーベル賞経済学者アマルティア・セン
さんの論考の翻訳です。

そうよ、経済って本当は人間をシアワセにするために作られたはずなのに、
いまや逆に経済を"維持”するために人間を犠牲にしてでもいいからどうするか、
になちゃってる、ということを思い出させてくれました。

「欧州民主主義」って最初見たときは「皮肉ですか?」とか思ったけど、
でもEUの価値ってなにも経済だけじゃなかったはずなんだよね。
人間の価値が経済的価値だけではないのと同じように。

ということで、財政条約・国民投票日ですが、まあ、
深呼吸して、視野狭窄に陥らないように遠い緑の山でも眺めてみましょう


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欧州民主主義の危機
アマルティア・セン (2012年5月22日、New York Times)

The Crisis of European Democracy
By AMARTYA SEN
http://www.nytimes.com/2012/05/23/opinion/the-crisis-of-european-democracy.html?_r=1

「地獄への道は善意で敷き詰められている」という諺を立証したければ、
今の欧州経済危機を見るといい。
EUの政治家の、立派に聞こえるが視野狭窄的目論見(もくろみ)は
健全な欧州経済立て直しに役不足なだけでなく、惨めな混沌と混乱の世界を生み出している。

これには二つの理由が挙げられる。

まず、深い分析抜きに見れば、欧州リーダーたちは崇高な意図を持ってるように見える。しかし、欧州の通貨統合の硬直性(財政統合の欠如)のせいもあるが、現在の緊縮財政政策が深い洞察に基づいた説得力あるものとは到底言うことはできない。

第二に、彼らの意図自体は素晴らしいものなのかもしれないが、
目下の、より緊急な優先事項とは真っ向から対立する。
この場合の重要課題は、社会的な「善い生活」にとって重大な意味を持つ「民主的な欧州」の維持である。
この「民主的な欧州」という価値のために欧州は何十年も闘ってきたのだ。

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