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金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを! 債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。

2024-03

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12月のコペンハーゲンでの国連気候変動枠組条約(COP15)会議に関する記事が連日紙面をにぎあわせていますね。
日本の鳩山首相は「1990年比で2020年までに25%削減」を発表しましたが、これは途上国から高く評価されているようです。

しかし、全般的には自らの排出量削減へのコミットメントや途上国が排出量削減・気候変動への適応に必要とする資金の“支援”に関して、先進国の後ろ向きの姿勢が目立ちます。

10月28日には国連気候変動枠組み条約のデブア事務局長が、京都議定書に続く温室効果ガス排出削減の新たな議定書をコペンハーゲンで採択することは「物理的に不可能」で、法的拘束力のない政治合意になるだろうと、発言しています。

その際にもカギになるのは「先進国から発展途上国への資金援助と技術供与」だそうです。

EUは10月末のEUサミットで「発展途上国は気候変動問題への取り組みとして2020年まで年間1000億ユーロ(1480億ドル)必要、うち220―500億ユーロを先進国政府が拠出すべき」という結論を出しています。

しかし、これは9月の段階ですでに欧州委員会がまとめている結論と同じで、そのレポートでは、「年間約220億から500億ユーロ相当の国際的な公的資金注入」のうち、EU負担はわずか「年間20億から150億ユーロ」としています。

このような先進国の態度に対して、「気候変動の資金を先進国が出すのは“援助”としてではなく“義務”だ!」という主張が強まっています。その際に主張されているのが“気候債務”という概念で、これはジュビリーサウスなど途上国の債務帳消し運動が10年近く主張しているエコロジカル・デット(生態系上の債務:先進国は歴史的に途上国の資源を不当に奪い、かつ現在も利用していることから、これを先進国が途上国に負う“債務”と考える)の一部をなすものです。

マレーシアに本部を置く第三世界ネットワークが、この概念を基にした主張のレターへの賛同を求めています。

個人賛同もできます。団体賛同はたくさん集まっているみたいですが、個人賛同はごくわずかなので、途上国の声を届けたい!と思う方、ぜひお願いします。

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「気候債務」返済を求めるレターへの賛同署名
http://campaigns.item.org.uy/?q=en/node/254

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世界の市民社会組織・社会運動のみなさん

第三世界ネットワークは“「先進国による気候債務の返済」を求める”イニシアティブを開始しました。この呼びかけを支持し、この賛同レターに署名してください。署名されたレターは気候変動交渉の場に提出します。


コペンハーゲンに向けて熱の入った話し合いが行われていますが、主に排出削減割り当てと、産業先進国と途上国の間で負担をどう分担するかに注目が集まっています。

この点に関して、地球の限られた炭素収支に対する懸念と、持続可能な発展を可能にするためにこの環境スペースをいか公正に分け合うべきか、という課題がここ数ヶ月の間に提起されてきました。

歴史的な責任も考慮に入れた上での公平な負担を考えるべきで、そのためには“気候債務が返済されなくてはならない”という主張が、ボリビアなどラテンアメリカ諸国の首長、スリランカ、中国、アルジェリアなどいくつかの途上国から提起されています。先住民グループや市民社会組織もこの主張を取り入れています。

Primer on Climate Debt
http://www.choike.org/documentos/primer.pdf

「日本訳:ブリーフィング・ペーパー 気候債務:その理解のために」(doc)

に、データとともにさまざまな政府や社会運動、市民組織の引用を掲載しています。

この“気候債務”の問題は、どのような気候変動合意においても、公平、正義、公正が確保されるために大変重要な概念です。

すでにこの呼びかけには世界中の多くの市民社会組織や社会運動が賛同を表明しています。

下の手紙と
Primer on Climate Debt (PDF).
http://www.choike.org/documentos/primer.pdf

「日本訳:ブリーフィング・ペーパー 気候債務:その理解のために」(doc)
をご覧ください。


気候変動交渉は今が山場です!交渉の場での影響力を高めるためにできるだけ多くの組織からの賛同を集めたいと思っています。よろしくお願いします!

署名サイト(グループだけでなく個人でもできるようです)
http://campaigns.item.org.uy/?q=en/node/254

これまでの署名者・団体
http://campaigns.item.org.uy/?q=en/node/254/signs

(2009年9月22日段階で242団体)

―――――――――――
気候債務を返済せよ
コペンハーゲンでの公正で効果的な結論のために

私たち、以下に署名したアフリカ、アジア、ラテンアメリカ、カリブ海、ヨーロッパ、北米の開発・環境・ジェンダー・青年・信仰・先住民・社会環境正義運動など、さまざまな課題に取り組むグループは、

産業化した豊かな国々が、気候変動を作り出し被害を引き起こした、歴史上ならびに現在の責任を認め、自らが負う気候債務を、貧しい国々、コミュニティ、民衆に対して全額、効果的に、即座に返済することを求める。

気候変動は地球上の生命バランスを脅かしている。

海面は上昇し、海水は酸化している。氷冠や氷河は溶け出している。森林、さんご礁その他のエコシステムは変化を強いられ、破壊されている。すでに存続の危機に脅かされているコミュニティさえある。開発のためのコミュニティの努力は、ますます大きな障害を抱えている。

なんとか押さえ込まない限り、暴力的天候、食料生産システムの崩壊、大量移民、前例のない数の紛争の勃発といった気候変動による大災厄の危険性は増大し続ける。

貧しい国々、そのコミュニティや民衆は気候変動の原因にほとんど関与していないにも関わらず、最初の、そして最悪の犠牲者となる。

もっとも大きなリスクを抱えるのは女性、先住民、貧しい人々、小規模農民、漁民、森林に住む人々、限られた水資源に依存している人々、子どもたちなどの健康被害を受けやすい人々である。

豊かな国々・企業・個人といった少数者がこの気候変動の主原因を作り出した。

産業先進国は、世界の5分の1以下の人口しか住んでいないにも関わらず、過去も含めて現在までほぼ4分の3の温室効果ガスを放出してきた。彼らの過去そして現在の過剰な温室効果ガスの大気への放出が、現在の、そして将来も確実に続く温暖化の主原因である。

産業先進国は地球上の大気の公正な割り当て以上のスペースを消費している。

産業先進国の住民は一人当たりで、途上国住民が過去から今まで放出してきた量の10倍の量を放出してきた。現在だけ見ても、産業先進国の住民は途上国住民の4倍以上の温室効果ガスを放出している。

この気候変動の原因への加担と、こうむる結果の不均衡からかんがみて、産業先進国は貧しい国の多数の民衆に二重の意味での“気候債務”を負っているとみなすことができる。

・先進国による過去、現在を通しての人口一人当たりの過剰な排出により、途上国が大気中のスペースの公平な割り当てまで奪われた。先進国は途上国に対して負う温室効果ガス「排出債務」を急増させつつある。

・先進国の気候変動への過大な加担により、途上国はますます増えつつある気候変動による被害に適応しなければならない。これにより産業先進国は途上国に対する「適応債務」を急増させつつある。

「排出債務」と「適応債務」、これら債務の合計額が、産業先進国が抱える気候債務である。そしてこれは豊かな産業社会が貧しい多数者に対して負う、より幅広い意味でのエコロジカル(生態系上の)・社会的・経済的債務の一部である。

この債務の返済義務を果たすことは、単に正当であるだけではない。
これは気候変動の公正で効果的な解決の土台となる。

途上国はその発展を二重の意味で阻まれた - 気候変動の被害を最小に押さえ、さらにそれに適応しなければならない。気候変動の原因が積み重なった歴史の中で、もっとも利益を受けた人々が被害者に補償をするべきである。

先進国が発展の道を辿っているときには、現在途上国を阻んでいる障害にぶつかることはなかった。逆に、先進国の開発の歴史が途上国が現在苦しんでいるこれらの障害を作り出したのだ。

しかし、産業先進国はこれらの債務を返済するよりむしろ“帳消し”しようとしている。

気候変動交渉において、彼らは適応のための費用の大部分を途上国に背負わせようとしている。「適応債務」を返済せず、その義務をごまかそうとしてる。

そして彼らは人口一人あたり高い割合の温室効果ガス排出を続けようとしている。「排出債務」を返済せず、さらに債務を溜め込んでいる。そして、残された大気スペースをさらに使い、世界の貧しい多数の人々の利用分は、ごくわずかの残りのスペースに押し込もうとしている。

私たちは、世界の豊かな層が貧しい人々の犠牲の上にこれ以上の大気スペースを使い続けることを憂慮する。

貧しい人々は、豊かな世界がすでに所有し、その恩恵を受け続けている学校や家、その他のインフラ設備を作るためのエネルギーや資源にアクセスする必要がある。

世界の豊かな国の過剰消費継続により、気候変動の効果的解決への見通しが危うくなり、それによりすべての国、人々、地球の安全、安寧が脅かされるのではないかと懸念する。

それゆえわたしたちは、コペンハーゲンでの公正で効果的な気候変動対策の出発点として、産業先進国に彼らの途上国に対する気候債務を全面的に認め、返済するよう呼びかける。


私たちは以下のことを要求する。産業先進国は:

・気候変動により負の影響を受けるすべての国々、グループ、人々に、適応のためのすべての資金負担と補償を行うことで、途上国に対して負う適応債務を返済せよ。

・国内での温室効果ガス排出をできる限り削減し、自分たちの過去の、そして現在の気候変動の原因への過剰な加担を全量反映した排出量割り当ての遵守を公約することで、途上国に対して負う排出債務を返済せよ。

・気候会議の結論に従って排出量を削減し、また気候変動に適応するのに必要となる追加負担をカバーするための資金と技術を途上国が利用できるようにすること。

以上の要求を満たすことが2009年12月の交渉成功のための基本的前提条件だ。

コペンハーゲンは気候正義にとって、重要なターニングポイントになることは間違いない。地球の気候システムを保護し、すべての人がその権利と希望を実現できるような未来を確実に作っていく行程における大きなマイルストーンとなるだろう。

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