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金持ち大国や多国籍企業の都合で貸し付けられた途上国債務の帳消しを! 債務、世銀・IMF、ODA、南北問題など、翻訳モノを中心にテキトーにupします。

2024-04

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今回はちょっと真面目(多分・・)です。


19、20日はメインイベント「債務に関する国際セミナー」でした。
会場はなんと上院コングレスルーム

セミナーのテーマは「債務の監査」

つまり、第三世界の貧困問題解決のために債務の帳消しを求める際にも、

・「かわいそうだから、払えない部分を帳消しに」という慈善的立場から、かつ、曖昧な基準で求めるのではなく、

・債務がここまで巨額なものにたまってしまった経緯をできるだけ明確に調べ上げ、債務の契約や借りた資金の使い道に不正が発見された場合は、債務の返済を拒否しようというものです。

これまで、独裁者への貸付けが多かったり、途上国の開発プロジェクトの経費概算が不透明だったり(しかも、事業は完成せず、環境破壊・地元住民の生活破壊だけ残ったり)、「こんな債務を返す義務があるのか?」と思うような事例が多々あることはよく知られてきましたが、それをこの際きっぱりと明るみに出し、貸した側の責任も明確にして、帳消しにしようというものです。

監査を行うのは誰か?

市民による監査(特に北の国だと情報公開制度を使って)は、市民の動きを盛り上げるためにも重要ですが、それと同時並行、あるいは、その後で、本当に政府に帳消し・支払い拒否をさせるには、議会が関与する監査が不可欠です。そこで、債務監査を求める世界の運動は、北も南も、議員へのロビーイングやアクションを行おうとしています

ベルギー上院は、今年3月、ベルギー政府機関がこれまで途上国に貸し付けてきた債務の監査をするよう要求する勧告を決議しました。そして「odious debt(汚い債務)」にあたるものは帳消しするよう要求しています。
それもあって、上院でのセミナーが実現したと思います。

(イタリアもつい最近、議会が、債務監査委員会を作るよう政府に要求する決議を出した、と18日に会ったイタリアの世界銀行を監視するNGOの人が言っていました。)

最初に議長席に座った上院議員(社会党らしい)のオルガ・ズリエンさんから歓迎の挨拶。
エリックさんも副議長席に座って、なかなかの貫禄。

コンゴ民主共和国の報告

最初のプレゼン、コンゴ民主共和国(DRC)のCADTMコンゴのビクターさんからは、DRCがいまだポスト・コンフリクト国紛争終結直後の国)とは言えないこと(いまでも局所的に紛争があり、何千人も避難する事態が起こっている)、鉱物資源に主に注目が集まるが、森林(木材、生物資源)や水資源にも特に米国や中東が強い関心をもっていること、現在中国から10億ドル以上を借りておりヨーロッパやIMF、WBはそれに負けじと債務救済やリストラ交渉を持ちかけてきていること等の説明がありました。

その後、独裁者モブツ時代のインガダムなどのプロジェクトで不当な債務が蓄積していることが説明されました。

日本のODAで橋を建設し、橋そのものはちゃんとできたのですが、鉄道線路を敷設するところまで資金が足りなかったために橋は無用の長物となり、結局橋を活かすために、今度は日産やトヨタのトラックを輸入しなければならなかった話もでました
(この辺は井上信さんという方のサイトでも紹介されています)。

監査に関しては、ギゼンガ首相が今年3月2002年ー06年の間の多国籍企業と政府が交わした契約の監査を命じたそうですが、その結果、不正が発見された場合どうなるかは特に報告がありませんでした。

エクアドルの大臣登場!

午後はいよいよ、エクアドルの債務・南の銀行担当大臣、リカルド・パティーニョさんの演説です


内容的には、ジュビQサイト「岐路に立つエクアドル」で紹介されている、エクアドルの債務蓄積とそれに対するIMF、世界銀行の介入の歴史だったのですが、

現政権でご自身が財務・金融大臣だった時に、某米国企業とのプロジェクト受注交渉に関して、過去の政府関係者から汚職を持ちかけられたり(もっと具体的に話してくれたんだけど、ここではこれくらいに・・)、法外な見積りのプロジェクト交渉など、自分が経験しただけでこんなにあるのだから、過去どれほどこういうことがあったのだろう、と思ったそうです。

まあ、しかしパティーニョさん、熱い!(翌日、更に彼のアツさを実感することに


実は可愛いマリ共和国

2日目はマリとフィリピンの報告でした。

(ところで、マリってバンバラ語で「カバ」って意味なんですって。「カバの国」。なかなかカワイイ!

マリで産出するウランは日本が独占契約しているそうです。カワイクない

CADマリのティモさんはマリの債務構成の変化を丁寧に説明した後、80年代の構造調整で国民の貧窮がひどくなったが、債務が一番蓄積したのは軍事政権から民政に移管した後の1992年から2002年の間なので、その間の債務を市民の手で監査しようと動きを進めているそうです。

また、市民監査ですが、情報収集のために積極的に政府・省庁に働きかけ、大臣達にも直接交渉に行って、7人の大臣の内5人の支持を取り付けたそうです。また、監査委員会に3名の公務員が積極的に参加するとういうことでした。

ギニアからも財務省職員の人がセミナーに来ていたし、国によっては協力的な政府がある一方、国が非常に抑圧的(CADTMモロッコの人は仲間が拘留されている、と言っていました)だとか、国から情報をどうやって得るのか、というのが悩みの国も多かったです。

借金中毒、アロヨ政権

フィリピンのベッキーのプレゼンは勉強になりました。

フィリピン債務のことを結構知っているつもりでしたが、アロヨ政権になってあれほど累積債務額が急上昇しているとは認識していませんでした(ベッキー曰く「アロヨは借金中毒」)。

また、「不当な債務」の典型事例、バターン原子力発電所(マルコス時代に契約された原子力発電所。米国ウェスティングハウス社が5億ドルで受注したが、最終的に建設コストは23億ドル以上に跳ね上がった。マルコスへのキックバックは8千万ドルと見られている)の債務返済が、今年で終わってしまう!というのはショックでした。

断層の上に建設され、1ワットも発電せぬままお蔵入りした発電所の建設費用をフィリピンが全額払わされた!
しかも、フィリピン市民運動が米国の裁判所に訴えて、返済の必要無しという判決を勝ち取りながらも、フィリピン政府は「進んで、喜んで」返済を続けた・・。

社会運動と政治体制の強さ、あり方は併行しないのか、だとしたら社会運動に呼応した政治体制がうまれつつある南米の国々では、その前にどれほどの血が流されたのか・・などと考えてしまいました。

債務監査に関しても、フィリピンは理論的にも実践的にもしっかりとした取り組みをしています。

市民側の監査はもちろんのこと、議会・政府による監査をする下院決議を前会期に勝ち取りましたが、上院でブロックされました。いままた、下院で提案中で、これはなんとかいけるだろうし、上院にも今、支持者を増やしつつあるので、なんとか通したいとのことです。

最後のまとめで、エリックさんは「12月に日本でもエクアドル債務に関してスピーキングツアーと議員との懇談が予定されている」と強調してました。
さあ、国際的にも期待されてしまうかも知れない日本の債務帳消し運動、どうする!?
続きは3で〜。
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